それは一通のメールから始まったんだ。
Subject: どもども
Date: 2007年02月14日 18時14分
From: Áni <アニ>ブラジル滞在中に悪いけど、日本のイベント事情を少し。
4月14日に渋谷のラッシュってクラブで30~40分のエンヘード/バツカーダのステージが入りそうです。
カマシ4月スケジュール的に出れそう?ちなみに深夜スタートです。
メンバーは女子重視で今あちこち声掛けてみてます。
2006年夏。いろんな事情が重なって、西日暮里の町工場をタンスで区切っただけの広い空間で、20人くらいの外国人と暮らしていた。そんなときに出会ったのがアニだった。「ウチのマンションに部屋が余ってるから、よかったら来る?」というアニの言葉に、ふたつ返事で甘えることにした。スーツケースひとつ分の着替えとカヴァキーニョがおれの全財産。アニの家での居候生活がはじまった。
そんなある晩、たまたまテレビをつけたら、横浜レゲエ祭の仕掛け人、マイティークラウンのドキュメンタリーをやっていた。今や夏の風物詩となりスタジアムを満員にするレゲエ祭も、はじめは数人の観客しかいなかったとのこと。徐々にレゲエファンを増やし、日本でのレゲエの地位を確固たるものにしたそうだ。おれとアニは、気付いたら正座して食い入るようにテレビの画面に釘付けとなっていた。これだ。番組が終わって二人は興奮してた。おれたちがモテるようになるにはサンバが流行ればいいんだ。そこで最初におれたちは、バンドでもなく、楽曲でもなく、飲食店をつくった。それがおれたちのバハカォンだ(バハカォンプロジェクト)。
2007年。おれはカーニバルで沸き立つリオにいた。昼過ぎに起きてビーチでビールを飲んで、夕飯を食べてから街で行われているサンバのライブに繰り出す。そんな生活をしているときに、アニから連絡が。渋谷で行われるLove for Sale!!というイベントでサンバをやらないか、とのこと。よし、やろう、メンバーはどうする?バンド名はどうする?
これがmocidade vagabunda(=ぐだぐだな青春)としてのスタートだ。
イベント出演のために集まったmocidade vagabundaのライブは大盛況。荒川の河川敷での打ち上げBBQ。ライブの成功に気を良くしたおれたちは、河原でmocidade vagabundaのアンセムソング「Nosso coração da mocidade」を作り、ここで正式にmocidade vagabundaとしての活動をスタートさせることにしたんだ。
そこからのおれたちは、みんなが知ってるとおり。Summer Sonic 2009やJ-WAVE SAUDE!SAUDADE… CARNAVALへの出演、CX系列レッドシアターズによる『風になりたい 』のレコーディング、ミニアルバム「Céu」のリリース。多くの人たちの協力があって、いろんな貴重なことを経験させてもらった。
A genti ri, a gente chora, e a gente abri coração.
みんなで笑って、みんなで泣いて、そしてみんなで心を開く。
病気療養のため、おれは音楽活動から離れます。絶対に戻ってくるので、そのときを待っていてください。
mocidade vagabunda テーマ曲 「nosso coração da mocidade」
作詞・作曲:mocidade vagabunda
Ah minha mocidade.
Não haja quem pode parar nem o tempo, nem o espaço.
Seja o amor, paz, ou felicidade.
É nossa mocidade vagabunda.ボクの青春は時空を超える。
愛、平和、そして幸せ。
それこそボクらのグダグダな青春(モシダーヂ・ヴァガブンダ)。
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