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ジツは今まであまりゼカが好きじゃなかったんです。というか、良さがイマイチ分からなかったんです。ところが、世界の音楽情報誌『月刊LATINA』1月号掲載用にこのDVDのレビューを依頼されて、原稿を執筆するために一生懸命見ました。で、考えが改まりました。ホントいままでごめんなさい。ゼカすげー。
原稿にも書いたんだけど、ゼカのポイントは「カンドンブレやカトリックやサンバやポルテーラや仲間やビールに対する愛と信念と敬意」なんだよね。これって、ブラジルという国とか国民性とかを理解してないと、なかなか分からない。
たとえば、見どころのひとつでJorge Benとともに歌うm-11 “Ogum”。これって、バイーア州に広まるカンドンブレっていう信仰における戦いの神様の歌なんだけど、そのカンドンブレっていうのがキリスト教の影響を受けてる。で、オグン(グにアクセント、ォグン)に相当するカトリックの聖人が、聖ジョージ。その聖ジョージを守護聖人として信心するJorge Benをゲストに迎えて、オグンと聖ジョージを賛美する。こういうストーリーなんだよね。
Jorge Benがステージから捌けたその直後に、Jorge Benの代表曲”Taj Mahal”のリフを「テーッテテレッテーレ!!」と勝手に始めちゃう感じとか。そこにパーカッションが入ると、Jorge Ben再登場。カヴァキーニョやギターにキーを指示し、そのまま熱唱。そりゃ盛り上がるわ。
というわけで、ゼカを楽しむときには、そうしたストーリー性に注目すると面白いと思います。